スペイン・マドリードで開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議など5日間の日程を終え、ユン・ソギョル(尹錫悦)大統領が1日、専用機で帰国した。尹大統領は帰国する機内で記者会見を開き、首脳会議についての感想を伝えた。

 尹大統領はスペイン訪問を終え、「多国間の会議に出席した国家の首脳と、さまざまな懸案について話し合い、有益な機会になったと思う」という感想を述べている。

 1日、韓国メディア「デイリアン」によると、16の公式外交行事に参加した尹大統領に、「最も意味があったと思う日程は何だったか」と質問したところ、「日米韓首脳会談」をあげたという。

 尹氏は「NATO首脳会議の本会議に出席し、各国首脳の安保問題に対する意見を聴取したのが2番目だ。日本やオーストラリア、ニュージーランドとのアジア太平洋4カ国首脳会議も、とても意味があった」と強調した。

 また、尹氏は今後の日韓関係について、「政治をすると宣言した時も話し、選挙運動の最中にも国民に申し上げている。過去の問題と両国の未来の問題は、すべて一つのテーブルに置いて一緒に解決していくべき問題だと強調してきた。歴史問題で両国間に進展がなければ、懸案となる未来の問題についても議論できないという考え方は、避けなければならない。すべて一緒に議論できる。両国が未来のために協力できるなら、歴史問題も十分に解決していけると信じている」と述べた。

 一方、韓国メディアは今後の日韓首脳の初対面について、このように評価している。

 革新系のハンギョレ新聞は6月30日付の社説で「大統領室の関係者がトップダウンの雰囲気だとし、日韓の首脳同士は(問題を解決)する準備ができているようだと伝えたことは、あまりにも先んじているようだ。ややもすると関係改善を急ぎ、われわれの原則を失う。低姿勢外交に陥ることがあってはならない」と尹政権の外交を批判した。

 韓国経済新聞は7月1日付の社説で「両国首脳会談は行われなかったが、尹大統領と岸田首相が4度会ったことは期待を抱かせる。この5年間、行き詰まっていた両国関係の改善のために、糸口が見えてきたと見ても差し支えないだろう」と評価した。

 同日、中立系の国民日報は社説で「両国は北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対抗し、ロシアのウクライナ侵攻以降緊密になっている朝中露に対して、ともに対応しなければならない課題を抱えている。痛い傷をつついて非難に没頭するほど、北東アジアの国際情勢は穏やかでない。両国が一歩ずつ退いて、未来をともに見つめながら過去を整理しなければならない切迫した時点だ」と強調した。
Copyrights(C)wowkorea.jp 104