韓国の独自技術で開発した初のロケット「ヌリ」が21日午後4時、南部の全羅南道・高興の羅老宇宙センターから打ち上げられた。宇宙に向かって上昇するロケット(写真共同取材団)=21日、高興(聯合ニュース)
韓国の独自技術で開発した初のロケット「ヌリ」が21日午後4時、南部の全羅南道・高興の羅老宇宙センターから打ち上げられた。宇宙に向かって上昇するロケット(写真共同取材団)=21日、高興(聯合ニュース)
【高興聯合ニュース】韓国が独自開発した初の国産ロケット「ヌリ」が21日、2回目の打ち上げに成功したことで、韓国型ロケット高度化事業や次世代ロケット開発など、今後の宇宙事業に弾みがつく見通しだ。 科学技術情報通信部と韓国航空宇宙研究院によると、高度化事業の主な内容は2027年までにヌリをさらに4回打ち上げ、発射の信頼性を確保することだ。投入される事業費は約6873億ウォン(約720億円)。 韓国航空宇宙研究院は、来年上半期に打ち上げ予定のヌリの3号機を製作中だ。 高度化事業により、ヌリは来年上半期に次世代小型衛星2号、24年に超小型衛星1号、26年に超小型衛星2~6号、27年に超小型衛星7~11号の実用衛星を搭載して順次打ち上げられる。 政府は高度化事業を行うことでロケット技術を民間に移転し、宇宙ロケット分野の「システム総合企業」を育成する計画。宇宙産業が民間企業主導で再編される「ニュースペース」時代の流れに足並みをそろえるためだ。 また、政府は輸送能力の範囲を月と火星まで広げるため、次世代ロケット(KSLV-3)の開発事業も急ぐ見通しだ。 この事業は現在、国家財政法に基づいて予算投入に先立ち実施される予備妥当性調査が行われており、23年から31年までの9年間に1兆9330億ウォンが投入される内容となっている。30年に次世代ロケットを活用した月着陸検証船を打ち上げて性能を確認した後、31年に月着陸船を打ち上げることを目標としている。 次世代ロケットはヌリよりもはるかに高い技術レベルが要求され、輸送能力も大幅に拡大する。政府は宇宙観光や大型貨物輸送の構想も持っている。次世代ロケットの設計から打ち上げに至るまでの全過程は、韓国航空宇宙研究院と今後選ばれるシステム総合企業が共同で進める。 また、産業体を中心に再点火や推力調節など再使用技術の開発も並行し、先進国との技術格差を縮める戦略もあわせて推進する予定だ。 一方、韓国政府は初の深宇宙プロジェクトを実施している。最初の課題として、8月に韓国初の宇宙探査船「タヌリ」を米宇宙開発ベンチャー、スペースXのロケットに搭載して打ち上げる。
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