「60%の賛成」vs「地主の90%が反対」、事業初期から対立する公共再開発=韓国(画像提供:wowkorea)
「60%の賛成」vs「地主の90%が反対」、事業初期から対立する公共再開発=韓国(画像提供:wowkorea)
昨年5月に韓国政府が発表した首都圏住宅供給案のひとつとして進めている「公共再開発」が、事業初期から賛否両論の対立が起こっている。

 初のモデル事業候補地を選定してから約1年7か月、事業を推進する側は公共機関と約定するまでに至った。しかし、ここにきて民間中心の開発を主張する住民側が本格的な反対行動に出てきた。

 政府政策の可視的な成果を示すために、事業に参入できる初期のハードルを民間再開発に比べて大幅に下げたことが、かえって住民間の葛藤を招いている。

 ソウル住宅都市公社(SH公社)とフクソク(黒石)第2再整備促進区域およびヨンドゥ第1区域6地区の住民代表会議は3日、公共再開発事業の施行に関する約定を締結した。昨年5月にモデル事業候補地を発表したが、調整に1年以上もかかり、やっと正式開発に乗り出した。

 しかし、該当地域住民の一部は、今月21日にSH公社前で公共再開発に反対する内容の声明書を発表すると明らかにした。黒石2区域、クムホ(錦湖)23区域、カンボク(江北)5区域の3つの「公共開発反対非常対策委員会」は21日にも記者会見を開き、キム・ホンドンSH公社社長を抗議訪問して声明書を渡す予定だという。公共再開発に反対する住民の声も反映してほしいという意味と受け取れる。

 同委員会は、公共再開発に賛成する住民の割合が低いことを強調している。「SH公社と20%の土地を所有する人々が結託し、大多数の地主の財産権を剥奪し、零細なテナントを追いやることは直ちに中断するべきだ」と主張している。

 実際、黒石第2区域は2008年に整備区域に指定されたが、商店街の所有主や住民間の対立で事業が停滞していた。組合側では公共再開発に参加して60%の同意率を確保していると主張している。黒石2区域の公共再開発事業は、共同住宅1216世帯を新築することが骨子だ。土地などの所有者は307人で、予想賃貸世帯数は458世帯、全体供給住宅の37.6%だ。

 問題は約40%と推算される反対世論だ。反対派の大半は、地域内に相対的に多くの持分を持っている商店街や商業用不動産を所有している。 同委員会によると、黒石2区域の場合は住民の同意率が60%に上っているが、同意住民が所有する土地面積は全体の10%程度に過ぎない。

 公共再開発は土地所有者に関係なく全住民の10%の同意さえ得れば、事業提案や候補地指定が可能になるように、参入できるハードルを下げた政府政策が招いた葛藤であるわけだ。いっぽう、民間再開発の場合、土地所有者4分の3以上、土地面積2分の1以上など、土地所有者の承諾がなければ、再開発の初期段階である組合設立は不可能となっている。
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