開会のあいさつをする韓日文化交流会議の鄭求宗委員長=12日、ソウル(聯合ニュース)
開会のあいさつをする韓日文化交流会議の鄭求宗委員長=12日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】冷え込んだ韓日関係を改善するための解決策を歴史から学ぶための国際学術会議が12日、ソウル・韓国プレスセンターで開催された。 同学術会議は1998年に当時の金大中(キム・デジュン)大統領と小渕恵三首相が「韓日共同宣言」を発表してから20周年を迎えたことと、昨年10月に朝鮮通信使に関する記録物が国連教育科学文化機関(ユネスコ)「世界の記憶」(世界記憶遺産)に登録されたことを記念して開かれたもので、「韓日文化交流の過去、現在、未来」がテーマ。 韓日両国の文化人による協議体、韓日文化交流会議が主催し、韓国文化体育観光部と在韓日本大使館が後援した同学術会議には約150人が参加し、両国の各分野の専門家のほか、都鍾煥(ト・ジョンファン)文化体育観光部長官や 長嶺安政・駐韓日本大使など政府関係者も出席した。 韓日文化交流会議の鄭求宗(チョン・グジョン)委員長は開会のあいさつで、朝鮮王朝時代に韓国から日本に派遣された外交使節団「朝鮮通信使」が韓日友好に貢献したことに触れ、同学術会議が第2の朝鮮通信使の役割を果たし、歴史的な韓日共同宣言の精神を振り返り、今後の韓日関係を確立させていくよう提言した。 朝鮮通信使の遺産登録で韓国側の推進委員長を務めた張済国(チャン・ジェグク)東西大総長は基調講演で「これまで韓日関係を支えてきた1965年の韓日基本条約に基づいた体制は限界に直面した」とし、「韓日関係の発展のために限界となった要因を積極的に克服しようとする努力が必要だ」と強調した。 張氏は韓日基本条約は真の和解ではなく、火種が残ったまま行われた政府間の妥協の産物であり、両国関係の緩衝材の役割を果たしていた政財界などの交流も崩壊したと指摘。また旧日本軍の慰安婦問題など条約締結当時に知られていなかった過去の歴史問題が広まったことや、韓国の国力成長により両国の国力差が縮小したことなどが韓日基本条約に基づいた体制が限界に直面した理由と説明した。 その上で、2017年に民間主導で実現した朝鮮通信使に関する記録物の遺産登録は新たな韓日関係を確立する上で、示唆するところが大きいと評価した。 朝鮮通信使ユネスコ記憶遺産日本学術委員会の仲尾宏会長は朝鮮通信使が200年にわたり朝鮮王朝と日本を往来した歴史的な事実は東アジアの平和と文化の相互理解に寄与したとし、外交関係が難しい状況にある場合、自らの立場に固執していては解決できないという事実は現在の国際的な課題を解決するのに応用できるだろうと述べた。 朝鮮通信使は壬辰倭乱(文禄・慶長の役)により断絶した国交を回復するため、江戸幕府が朝鮮王朝に派遣を要請した外交使節団で、1607年から1811年まで12回にわたり日本を訪問した。韓日両国の朝鮮通信使関連の記録物計111件333点(韓国のもの63件124点、日本のもの48件209点)は昨年10月にユネスコ「世界の記憶」に登録されることが決まった。 文化体育観光部の都長官はあいさつで、「韓日共同宣言は日本との国交正常化以降、両国の文化交流に決定的な影響を及ぼし、日本の大衆文化の段階的開放や、2002年のサッカーワールドカップ(W杯)共同開催などを実現したことで、両国の協力と友好増進に大きく寄与した」と評価した。 また「朝鮮通信使が日本に派遣されていた200年の間、朝鮮と日本には戦争がなかった」とし、「朝鮮通信使の記録物には悲惨な戦争を克服し平和な時代をひらくためのわれわれの先祖の知恵が凝縮されており、これは時間を超越し、現在のわれわれにとっても平和は自然に得られるものではないということを力説している。歴史を教訓にし、相互尊重の精神を固めていけば両国関係の解決策を見つけるのに多くの示唆を得られるだろう」と強調した。
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