政府の経済動向報告書(グリーンブック、資料写真)=(聯合ニュース)
政府の経済動向報告書(グリーンブック、資料写真)=(聯合ニュース)
【世宗聯合ニュース】韓国企画財政部は12日発表した経済動向報告書(グリーンブック)10月号で、最近の韓国経済について「輸出と消費で堅調な流れが続いているが、投資と雇用が振るわない」とした。米中貿易摩擦の激化、原油価格上昇など海外の不確実性も高まっていると指摘した。昨年12月から10か月連続で「回復している」としてきた景気判断を引き下げたことになる。

 10月号は、7月号で初めて登場させた「不確実性の拡大」という表現を用いただけでなく、新たに雇用不振にも言及した。

 同号によると、9月の就業者数は前年同月比4万5000人の増加にとどまり、失業者数は102万4000人と9か月連続で100万人を上回った。

 設備投資をみると、8月は前月比1.4%減少した。6か月連続のマイナスで、これはアジア通貨危機が起きた1997年から98年にかけ10か月連続減を記録して以来の長さとなる。建設投資も前月比1.3%減少した。

 政府は、世界経済の成長が続いており、輸出が好調な点をプラス要因とする。その一方で、雇用状況が芳しくなく、米中の貿易摩擦や米国の追加利上げ観測、原油価格上昇などのリスクも存在すると分析した。

 企画財政部関係者は「リスク管理に万全を期す一方、財政補強などで経済活力を高め、低所得層の雇用・所得支援策、小規模事業者・自営業者支援策を着実に進める」と述べた。

 政府系シンクタンクの韓国開発研究院(KDI)も「経済動向」9月号と10月号で「景気の改善傾向」という表現を用いず、景気下振れのリスクを警告している。


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